交通事故

* 実績については、ご了解頂いた一部案件のみを抜粋してお載せしています。

常陽リビング9月10日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『疾患・体調不良と交通事故の刑事罰について』


病気や体調不良でやむなく交通事故を起こしてしまった場合でも犯罪として処罰されるのでしょうか?


基本的に病気・体調不良は、刑事処罰をまぬがれる理由にはなりません。

自動車運転死傷行為処罰法では「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」の影響で事故を起こして人を死傷させた場合には、アルコールや薬物の影響で事故を起こした場合と同様に処罰するとしています。

これは、意図せず事故を起こした場合より、事故を起こす可能性があることを知っていたのに敢えて車を運転して事故を起こした方が悪いという価値判断に基づきます。

具体的な病気としては、再発性の失神、低血糖症、そううつ病、睡眠障害、一部の精神疾患などがあげられます。

もちろん、適切な治療や服用をしていれば車を運転することも許されますし、病気・体調不良で事故を起こせば全て犯罪として処罰される、あるいは刑務所に入れられるというわけではありません。

しかし、病気・体調不良が原因で自分は全く悪くないという言い分は通らないということです。

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常陽リビング2022年9月10日号

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常陽リビング8月20日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『自賠責保険がなかった場合の賠償について』


車を運転していて人身事故を起こしてしまったとき、対人賠償額無制限の任意保険に入っていれば、自賠責保険に入っていなくても大丈夫ですか?


原動機付自転車を含むすべての自動車は、自賠責保険に入っていなければ運転することはできません。自賠責保険がない状態で運行すると、罰則として懲役刑が科される場合もあります。

任意保険は自賠責保険の上乗せという性質の保険なので、自賠責保険なしで交通事故を起こせば、たとえ対人賠償額が無制限であっても、自賠責保険分の賠償額は自己負担となります。自己負担の最高額は、被害者が傷害(けが)だけで済んだとしても120万円、死亡の場合は3000万円、重篤な後遺障害の場合には4000万円にもなります。

一般的に自賠責保険の更新は車検時に行います。したがって、車検を受け忘れた場合には任意保険に入っていても自賠責保険がない状態ということになります。

業者やディーラーからの車検の更新案内通知に頼りがちですが、中古車販売店や個人からオークションサイトを通じて購入した場合には車検の案内が来ない場合があります。念のため、車の自賠責保険の有効期間を再確認してみましょう。

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常陽リビング2022年8月20日号

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常陽リビング7月16日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『交通事故における停止車両側の過失について』


自分の車が停止していたときの事故なのに、私にも過失があると言われました。本当でしょうか?


よく、動いていたなら過失があるが、止まっていれば過失は無いと言われます。

しかし、止まっていれば過失がないというのは誤りです。もちろん、赤信号に従い停止していたところを追突されたような場合は過失が無いとされます。

しかし、車を停止させる位置や態様が不適切であれば、たとえ衝突時に車が停止していたとしても停止車両側にも過失があるとされる場合があります。

例えば、夜間にハザードを点けず十分に道路の左端に寄せずに車を停止させていて追突された場合、駐車場であれば、双方が通路を走行中に出合い頭で衝突する直前に車を停止させた場合、他の車が駐車スペースに出入りするのが分かっていながら車が通るであろう場所に近づいて車を停止させた場合などは、停止していた車にも過失があるとされる可能性が大きいです。

車を停止させるのであれば他の車の迷惑にならないように停止させることが大切です。他の車両の安全にも配慮しながら車を運転したいですね。

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常陽リビング2022年7月16日号

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常陽リビング3月20日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『ひき逃げについて』


人に車を接触させていながら、自分では「人に当てたとは思わなかった」ので現場を離れてしまった場合は、全て「ひき逃げ」になってしまうのでしょうか?


もちろん、事故現場を離れたからといって、必ず「ひき逃げ」になってしまうわけではありません。

しかし、「人とは気付かなかった」場合はどうでしょう。

車が人に当たれば、通常、その衝撃は車のフロントガラスやヘッドライトを損壊させてしまうくらい大きなものです。従って、実際には「気付かない」ことはあまりないはずで「とっさのことで慌ててしまった」「当たったのが人だという確信がない」、あるいは「人に当たったとは信じたくない」といった心理が働いて、事故現場を離れてしまうケースが多いように思います。

しかし、そのような状況はいずれもひき逃げと評価される可能性が高いでしょう。

逮捕や身柄拘束を避けるため、運転中に何かにぶつかったような大きな異音・衝撃を感じた際には安全に注意して速やかに車を停止し状況を確認する必要があります。

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常陽リビング3月16日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『ドライブレコーダーの記録メディア』


交通事故やあおり運転の被害を受けた時にドライブレコーダーの映像を証拠として提出したいのですが、何か気を付けることはありますか?


ドライブレコーダーの映像は重要な証拠となります。しかしながら、以外に多いのがせっかくドライブレコーダーを取り付けていても交通事故が起きた時に「録画がされていない」「映像がない」というトラブルです。

SDカードなど「記録メディアの不具合」が主な原因とみられます。ドライブレコーダーの多くは時間が経過すると古い映像を削除し、新しい映像を録画しますが、録画と削除が頻繁に繰り返されるため記録メディアが劣化し、肝心な時に映像が録画されていなかったというケースが多いようです。

「ドライブレコーダー映像がある」と宣言しておきながら後で「実は映像がなかった」というと、自分に不利な映像だから出せないのだろうと勘繰られる可能性があります。そうならないためにも、日頃から「記録メディアを耐久性の高いものにする」「定期的に映像が録画されているか確認しておく」などの対応をしておくと良いでしょう。

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