常陽リビング

* 実績については、ご了解頂いた一部案件のみを抜粋してお載せしています。

常陽リビング4月8日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『参考人と証人の違い』

Q
最近、国会などで事件の関係者から事情を聞く場合に、「参考人として聞くか、証人として聞くか」が議論されていますが、参考人と証人との違いは何ですか?

A
「参考人」は、ある判断をするときや調査の必要がある場合に意見を聞く相手です。少し前ですが、安全保障関連法案の審議の際に憲法学者が参考人として意見を述べましたね。

また「証人」は、自らの経験から知り得た事実を証明する人です。刑事裁判の証人もそうですが、最近話題の百条委員会や国会で証言する証人は、正当な理由がないのに出頭しない場合や証言を拒否した場合などは処罰されます。

これに対して参考人は呼ばれても出頭する義務がありませんし、嘘をついても偽証罪にはなりません(社会的な非難は受けるかもしれませんが)。

このように、証人の方が「逃げ場」がないので、真実を述べることが期待できるでしょう。もっとも、真実の追究のためには質問者が参考人や証人に馴れ合いではなく的確で鋭い質問をすることが必要だと思います。

お役に立ちましたか?

常陽リビング2017年4月8日号

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常陽リビング3月11日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『ビデオによる遺言は有効?』

Q
遺産をめぐる家族の争いを避けるため、遺言を映像に残そうと思っています。注意点を教えてください。

A
死後に遺産の分配で家族が争うのを防ぐために遺言を残したいが、自分の考えを正確な言葉で表現するのは難しそうだからビデオで残したいと考える気持ちは理解できます。

しかしながら、ビデオだけで遺言を残すことはお勧めできません。法律上、遺言は「文書」という方法に限定されており、ビデオや音声は無効になってしまうからです。もっとも、文書はその内容があいまい、不明確、あるいは読む人により意味の取り方が異なるなど危険性があることも事実です。

そこで、まず弁護士と相談して「文書」(「公正証書遺言」がお勧めです。)で遺言を作成し、それに合わせてどのような思いで内容をまとめたか、残された家族にはどのような行動を取ってもらいたいかなどをビデオでも残すという方法があります。

弁護士立ち合いの下でビデオを作成し、弁護士に保管してもらえば万全でしょう。

常陽リビング2017年3月11日号

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常陽リビング2月11日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『ネット上の脅迫行為と対策』

Q
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で知り合った人からインターネット上で脅されて困っています。対応策を教えてください。

A
インターネット上の脅迫行為を警察・弁護士に相談しても、「どこの誰だか分からない人の発言であるから無視すればよいのでは?」などと相手にされない時代もありました。

しかし、最近では脅迫を受けて自殺する人が出たり、フェイスブックなどに公開している個人情報を集めて「つきまとい行為」をされたり、個人情報をネット上に公開されるなど手口の高度化・多様化により被害が拡大しているため、警察・弁護士もきちんとした対応を取るようになりました。弁護士による具体的な対応策としては、脅迫行為・程度に応じてウェブサイトの運営業者に削除を依頼する、脅迫行為をした人の氏名・住所等の開示を求め警告文書を発送する、損害賠償を請求する、警察へ刑事告訴するなどがあります。

ともあれ、被害を受けている場合には一人で悩まず専門家や警察に相談することが最善です。家族に相談しにくいようなケースでも、弁護士には守秘義務がありますので心配せずに相談してみましょう。

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常陽リビング1月14日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『事故の相手方が自動車保険を使わない場合』

Q
交通事故の加害者が「自分は悪くない」と言い張って自動車保険を使用しないため、賠償が受けられず困っています。何か良い方法はないでしょうか。

A
自動車保険を使うと、いわゆる「等級」がダウンして翌年の掛け金が上がってしまうため、事故の相手方が使おうとしない場合があります。相手方に悪いところがない(過失がない)場合はともかく、明らかに悪いのに責任逃れをして自動車保険を使用しないような場合には、弁護士に相談するのが最善だと思います。

なぜなら、事故の被害者は保険会社に対して直接支払いを求められますので、「弁護士による保険会社に対する訴訟提起の可能性」を示すことで、交渉を有利に進めることができるからです。

もちろん、保険会社が交渉や支払いを拒否したとしても、裁判で事故の相手方と保険会社を一緒に訴えることで適正な賠償を受けることが可能となります。たとえ相手方が身勝手な対応をしたとしても諦めずに弁護士に相談してみましょう。

常陽リビング2017年1月14日号

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常陽リビング12月17日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『執行猶予期間中に再び犯罪を犯した場合』

Q
「執行猶予付判決」を受けた人が猶予期間中にもかかわらず再び犯罪を犯した場合は、どのような処分を受けるのでしょうか。

A
「執行猶予付判決」は、再び犯罪を行うことなく猶予期間を経過すれば刑務所に入る必要はなくなります。これに対して猶予期間中に再び犯罪を犯した場合、法律上では再び執行猶予付判決を下す「再度の執行猶予」という制度がありますが、実際の裁判で再度の執行猶予が認められる可能性はほとんどありません。

そのため、執行猶予期間中に再び禁固刑以上の刑を受けた場合には、きわめて高い確率で実際に刑務所に入る「実刑判決」が下されます。その場合、以前に下された執行猶予付判決の懲役に加えて猶予期間中に犯した犯罪に関する刑期も加算されるため、長期間服役しなければならなくなります。

例えば「交通違反」なども軽微なものであれば罰金などで済むことがありますが、人身事故や飲酒運転などは懲役刑を受ける可能性もあります。

ですから、執行猶予期間中は特にいろいろなことに注意して生活する必要があるのです。

常陽リビング2016年12月17日号

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