常陽リビング

* 実績については、ご了解頂いた一部案件のみを抜粋してお載せしています。

常陽リビング6月11日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『執行猶予と保護観察』


刑事裁判の執行猶予の判決に「保護観察」が付く場合があると聞きましたが、保護観察が付く場合と付かない場合は何が違うのですか?


実際に刑務所に収容される「実刑判決」と異なり、刑罰の執行を一定期間猶予する「執行猶予」付きの判決の場合、執行猶予期間中は特に制限なく普通に日常生活を送ることができます。

例えば「懲役1年6カ月、執行猶予3年」という判決の場合、無事に3年経過すれば刑務所に行く必要はなくなります。

また、執行猶予期間中に問題を起こして有罪判決を受けても、再び執行猶予付き判決が下される可能性があります(もっとも、実際に下されるケースはほとんどありませんが)。

これに対して、同じ執行猶予の判決でも「保護観察」が付けられた場合は、執行猶予期間の3年間は保護観察所の保護観察官や保護司の指導を受ける必要があります。また、執行猶予期間中に問題を起こして再び有罪判決が下された場合は、執行猶予が付くことはなく、必ず「実刑判決」が言い渡され刑務所に入らなければならないという違いがあります。

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常陽リビング2016年6月11日号

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常陽リビング5月21日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『災害と弁護士の役割について』


大規模な地震などの被害に遭った時、弁護士に相談するメリットはありますか?


大規模災害の直後は生命・身体の安全を第一に確保するべきであり、弁護士に法律問題を相談する必要が大きいとは言えません。

しかし、生活の再建を図る段階では、さまざまな分野で弁護士は力を発揮できます。

例えば、家族が亡くなった時の災害弔慰金の申請、ケガをした時の災害障害見舞金の申請、自宅が被害を受けた時の災害救助法に基づく応急処置制度や被災者生活再建支援法に基づく支援制度の利用、あるいは住宅ローン減免に向けた活動など、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの経験から私たち弁護士も災害に関連するさまざまな対応策とノウハウを蓄積してきました。

災害時は法律相談を無料でできるのが一般的なので、生活再建時のみならず、将来に対して何か不安を抱いた時は弁護士に相談してみてください。あなたの町の弁護士がきっと力になってくれるはずです。

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常陽リビング2016年5月21日号

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常陽リビング4月9日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『子どもを犯罪の被害に遭わせないために』


近年、誘拐など子どもを対象とする犯罪が増加しているようです。何か防止策はないのでしょうか?


子どもは大人と違って他人を信じやすかったり、ちょっとしたことで強い恐怖心を抱いたりします。例えば「お母さんがケガをしたから代わりに迎えに来た」と言われて信じてしまったり、「お前の家を知っている。ついてこないと家族に危害を加えるぞ!」などと言われ怖くてついて行ってしまうこともあります。

大人が「そんなことで?」と思うことでも、子どもに信じさせたり、恐怖心を抱かせるのには十分です。一人で行動しない、人通りの少ないところに近づかないなどと指導するのは当然として、抽象的に「知らない人について行かない」と言うのではなく、「他人から『◯◯◯』って言われても信じないで」などできるだけ具体的なケースを挙げて教えるのが良いでしょう。

また、犯罪に「車」が使われることが多いので、もし声を掛けられても知らない車には絶対に近づかない、乗らないように繰り返し指導するのも効果的だと思います。

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常陽リビング2016年4月9日号

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常陽リビング3月12日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『認知症患者と配偶者の責任について』


認知症の夫が線路に立ち入って発生した事故について妻の責任が問題となっていますが、どういうことなんでしょうか?


この事件は、認知症の夫が線路に立ち入り列車に衝突して死亡した事故で、列車の遅れなどにより損害が生じたとして鉄道会社が妻に損害賠償を求めたというものです。

当初、裁判所は夫婦がお互いに協力し扶助する義務を定めた民法の規定を根拠に、妻は当然に認知症の夫を監督しなければならず、その監督を怠ったため事故が生じたとして、妻に損害賠償を命じる会社側勝訴の判断をしました。

これに対して最高裁は、妻の損害賠償義務を否定する逆転判決を下しました。といっても、今回は妻も高齢(当時85歳)で身体に障害もあり、そもそも一人で夫を監督できる状況になかったというケースでした。

したがって、最高裁は全面的に妻の責任を否定したわけではありません。例えば認知症の夫が何度も徘徊して出歩いているのを知っていながら放置していたような場合の事故については、妻に損害賠償を命じる判決が出る可能性もあります。

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常陽リビング2016年3月12日号

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常陽リビング2月13日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『違法薬物について』


最近、有名人や若年者が違法薬物を使って逮捕されたという報道が多いですが、被害に遭わないために何か有効な対策はないのでしょうか?


著名な歌手やスポーツ選手、県内在住の中学生が覚せい剤を所持・使用して逮捕されたという報道がされています。このように違法薬物の広がりは深刻であり他人事ではありません。

また、薬物事犯は再犯率が高く、50歳以上では8割の人が逮捕後に再び薬物に手を出すという現実があります。そのため、いったん違法薬物に手を出すと簡単にやめることはできないといわざるを得ません。

この点、最初に薬物に手を出すきっかけの多くは「知人から誘われた」というものがあります。そうすると、家族や大切な人が違法薬物に手を染めないようにするためには、「違法薬物に触れない・触れさせない」ことが重要です。

具体的には生活態度の変化にすぐ気付けるよう日頃からコミュニケーションをとり、素行が悪い人と接触させない、素行が悪い人が集まる場所に近づかせないように注意するなどの「水際作戦」が有効だと思います。

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常陽リビング2016年2月13日号

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