常陽リビング

* 実績については、ご了解頂いた一部案件のみを抜粋してお載せしています。

常陽リビング11月12日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『他人の発言の引用と責任』

Q
インターネット上の他人の発言を「そのまま引用」した場合、トラブルになった時は発言者だけでなく引用した人も責任を問われるのでしょうか。

A
インターネット上では「ツイッター」「ブログ」などの他人の発言内容を変更しないままのリツイートや引用が多く行われています。

しかし、インターネット上に書き込みをすれば「私は他人の発言を引用しただけ」という言い訳は通用せず、引用した人にも責任が生じます。

例えば他人や企業を犯罪者扱いした発言を引用すれば、引用した人も名誉棄損罪や業務妨害罪に当たる可能性があります。「悪徳企業による被害拡散を防止するためだった」と言っても許されるわけではありません。

また、社会的に不適切な行為をした人を糾弾する目的でその人の氏名・住所・所属などを調べてネット上で公開するケースも見受けられますが、その内容を引用すれば個人情報を公開された人から損賠賠償請求を受ける可能性があります。

インターネット関連では犯罪に当たるかどうかの前例が少なく、確実な判断をすることが難しい状況ですので慎重な引用を心掛けた方がよいと思います。

常陽リビング2016年11月12日号

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常陽リビング10月8日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『遺言と遺言執行者』

Q
遺言を残そうと考えていますが、私亡き後に遺言通りになるのか心配です。何か良い方法はありますか。

A
遺言書が残されていても、実際の手続きをどう執行していけばよいか分からない場合や、何か事情があって遺言の内容がスムーズに実現されないケースも考えられます。

そこで、遺言内容の実現のために必要な行為や手続きをする「遺言執行者」を遺言で指定しておく方法があります。

例えば、財産を相続人以外の人に残す場合、あるいは財産を第三者に寄付するような場合、相続人からすれば自分がもらえるはずの財産を他人に渡すことになるので、遺言執行者に対応してもらう方が確実です。

複数の相続人の間で財産を分配する際も、遺言執行者という第三者を関与させることで相続人の感情的対立を防止する効果も期待できます。また、遺言で子どもを認知したり、相続人の身分を喪失させる行為(廃除といいます)などは、遺言執行者のみが執行できる手続きになります。

遺言で遺言執行者を定めていない場合には家庭裁判所が遺言執行者を選任しますが、あらかじめ信頼できる人物を遺言で選任しておく方が安心だと思います。

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常陽リビング2016年10月8日号

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常陽リビング9月10日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『子どもの犯罪と親の謝罪』

Q
成人した子どもが罪を犯した時、親も被害者に謝罪しなければならないのでしょうか。

A
最近、成人した子どもの重大犯罪に対して母親が謝罪する姿が報道されました。

これに対しては、成人しているのだから親には関係ないという意見がある一方、育て方が悪かったのだから親にも責任があるという声も聞かれます。

確かに子どもの犯罪に対して親が謝罪する法律上の義務はありません。しかし、刑事裁判への影響という意味で親の謝罪は有効だと思います。

なぜなら、親がきちんと謝罪の気持ちを表すことは親が社会的常識を備えていて子どもを監督する能力がある、親も一定の社会的責任を果たす、謝罪する親の姿を見た子どもが反省の気持ちを強めるなど、裁判で有利な事情として考慮される可能性があるからです。

また、親の謝罪により被害者の心情が変化し、示談しやすくなる場合もあります。とはいえ、被害者に対して配慮が足りない言葉・態度は逆効果になることもありますので、謝罪の気持ちには十分に気を使う必要があると思います。

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tpc160909

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常陽リビング8月19日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『歩きスマホの危険性』

Q
スマートフォンを利用したゲームがはやっていますが、歩きながらスマホを操作しても問題はないですか。

A
自動車・自転車運転中のスマホの操作に対しては罰金が科される可能性があります。これに対して、歩きながら操作すること(歩きスマホ)自体は法律で禁止されていません。

しかし、歩きスマホにはさまざまな危険性があります。自分が転んでケガをするという危険性に加えて、他人とぶつかってケガをさせてしまったら「過失傷害罪」として処罰される可能性があります。

また、歩きスマホが原因で歩行者を転倒させ重傷を負わせてしまった場合、ケガの程度によっては数千万円という高額な損害賠償を請求される可能性もあります。

しかし、歩行中に他人にケガを負わせた場合を補償する保険に加入している人は少なく、加入していても保険金額に限度額があったため、自己負担額が高額になることも珍しくありません。また、歩きスマホ中に自転車に接触されてケガをした場合、歩きスマホも事故原因の一部と見なされ、本来もらえる賠償額が減額されてしまうこともあります。

このように、法律で禁止されていなくても歩きスマホは「完全に問題なし」とはいえないのです。

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常陽リビング2016年8月19日号

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常陽リビング7月9日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『選挙権年齢の引き下げ』

Q
選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられましたが、これにより、若者が気をつけなければならないことはあるでしょうか。

A
法改正により18歳から19歳の未成年であっても国政選挙等で投票できるようになりました。若者の意見が政治に反映されることになる一方で重い責任も負うことになりますが、国の未来を決める一員になるわけですから、自分でしっかり考えて一票を投じてほしいですね。

また、今まで禁止されていた未成年者の選挙運動も18歳以上であれば許されることになります(もちろん、学業に支障が生じてはいけませんが)。そして、未成年であっても公職選挙法に違反すれば処罰の対象となります。

高校3年生では選挙運動を行える18歳と行えない17歳の生徒が混在することになります。

身近なツイッターやLINEなどでのやりとりも選挙運動となる場合がありますので、注意が必要です。例えば候補者を応援する内容や候補者の街頭演説の動画を投稿したり、リツイート(引用)したところ、18歳の生徒は適法な選挙運動とされ、17歳の生徒は法律違反で罰せられるという事態も生じかねません。

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常陽リビング2016年7月9日号

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