常陽リビング

* 実績については、ご了解頂いた一部案件のみを抜粋してお載せしています。

常陽リビング4月28日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『刑務所から逃亡した受刑者の罪について』


刑務所から逃亡した受刑者はどのような罪になるのでしょうか?


逃走に対する処罰は「1年以下」の懲役刑です。ちょっと軽い気がしますが、これはただ逃げた場合。刑務所のドアなどの器具を壊したり看守を脅して逃走した場合には「加重逃走罪」とされ、5年以下の懲役刑が科されます。逃走のために住居に侵入し服やお金を盗めば「住居侵入罪」や「窃盗罪」となり、さらに罪が重くなります。

逃走に関する罪は、裁判所の手続きにより身柄が拘束された者を対象としています。従って、裁判所の手続きにより身柄が拘束されていない犯人、例えば現行犯逮捕されたばかりの者が逃走したとしても罪にはなりません。

これは、裁判手続き・司法制度自体には被害を与えていないからという理由です。ただ、罪には当たらないとしても裁判官の心証を悪くし、刑を重くする可能性があるので、捕まったのに逃げるのはやめた方がよいでしょう(もちろん、そもそも捕まるようなことをしないでくださいね)。

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常陽リビング3月17日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『刑事処分と仕事の関係について』

Q
罪を犯し、刑事裁判で「有罪判決」を受けると仕事を辞めさせられてしまうのでしょうか。

A
一口に有罪判決といっても、刑務所に入らないで済む執行猶予や罰金もあります。従って「絶対」とは限りません。

しかし、職業や立場によっては裁判になっただけで「仕事に就けない」「資格を失う」「業務を停止される」などの処分を受ける場合もあります。一例ですが、罰金刑以上を受けると医療従事者の資格を取得できない場合があります。弁護士や司法書士などのいわゆる「士業」のほか、取締役、教員、公務員、団体役員などは、執行猶予でも資格や身分自体を失います。また、医師などは業界内部の決まりで業務停止などの処分を受ける場合があります。罪の重さやさまざまな事情、早急な対応により裁判を避け、仕事を辞めずにすむ場合もあります。

弁護士には守秘義務があり、相談内容は相談者の家族にも漏らしませんので、事故や事件を起した場合はできるだけ早く弁護士に相談あるいは対応を依頼することをお勧めします。

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常陽リビング2月17日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『飲酒運転者以外に対する罰則について』

Q
飲酒運転をした人が処罰されるのは当然としても、「周囲の人も一緒に処罰される場合がある」と聞きました。どのような場合でしょうか。

A
県内の飲酒運転による死亡事故件数が2年連続で全国ワーストだったと発表されました。飲酒運転を防止するため、法律では飲酒して運転した本人だけでなく、原因をつくった周囲の人にも罰則を科しています。

まず、飲酒運転者に車を貸すなどした人は「飲酒運転者と同じ刑罰」が科されます。お酒を提供したり、勧めた人も処罰の対象です。飲食店だけでなく個人も対象となるので、自宅への来訪客が車で帰宅することを知りながら「少しだけなら・・・」などとお酒を勧めれば処罰の対象です。さらに、飲酒をした人に「家まで送って」とか「もう一軒行くぞ!運転しろ!」などと言って運転させ、同乗することも罪になります。

飲酒運転を伴う交通事故の多くが悲惨な結果を招きます。飲酒運転を「しない」と「させない」責任があることを、誰もが自覚する必要があります。

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常陽リビング1月20日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『フィッシング詐欺について』

Q
最近、悪質な迷惑メールによる詐欺被害が増えているといわれています。どのような手口なのでしょうか。

A
以前の迷惑メールは、身に覚えのないサイトの閲覧費用を請求するといったシンプルな内容でした。しかし、最近は「フィッシング詐欺メール」での被害が増えています。

フィッシング詐欺とは、ネットバンキングやクレジットカード会社、有名企業になりすまして個人情報をだまし取る手口です。普段から利用している銀行やショッピングサイトになりすまし、「個人情報が漏えいしたので暗証番号の変更手続きが必要になった」、買った覚えのない商品を「購入した」などの偽メールを送信し、本物そっくりに偽装したホームページへと誘導して、ログインIDやパスワード、クレジットカード番号などを入力させ、個人情報をだまし取ります。

予防策としては、不審なメールのアドレスをコピーしてインターネットで検索してみるほか、送信されたメールの外部リンクをクリックしてサイトにアクセスするのではなく、ブックマーク(お気に入り)などからアクセスする方法などが有効だと思います。

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常陽リビング2018年1月20日号

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常陽リビング12月9日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『遺言を作れない場合について』

Q
「相続争いを避けるため、父親に遺言書を作ってもらいたい」と弁護士に相談したところ「残念ですがお力になれません」と言われてしまいました。どうしてでしょうか。

A
失礼ですが、お父様は深刻な認知症ではありませんか?遺言の多くは「私が死んだら◯◯の財産は◯◯に譲る」など財産の処分に関するもので、内容を正確に理解する判断能力が必要になります。

そのため、深刻な認知症が原因で正常な判断能力が失われていたり、脳梗塞により意識障害の状況にあるなどの場合には遺言を作ることができなくなります。担当の弁護士は面談の際にお父様の遺言作成能力がすでに失われていると判断し、「お力になれません」と答えたのだと思います。

確かに遺言は自らの「死」を前提に作成するものであるため、心理的に向き合いにくいものです。しかし遺言の作成には、いわば「時間制限」があると考えて動くことが必要です。

なお、早めに遺言を作成しても、その後気が変わった場合は何度でも書き直せますので、ご心配は無用です。

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